「保育ママ」という言葉は近年よく聞かれるようになりましたが、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。保育ママとは具体的に何をするのか、また、保育ママが社会で必要とされるようになった背景について見ていきましょう。

保育ママ(家庭的保育者)とは

日本では戦後、昼間だけ他人の子どもを預かる「昼間里親」の制度が作られました。それが発展してきたものが保育ママで、「保育ママ」という名称は1973年から使用されています。

待機児童解消の為、平成22年の児童福祉法改正により家庭的保育事業として法定化されたのに伴い、現在は家庭福祉員、家庭的保育者とも呼ばれています。保育者の自宅や別の場所で子どもを預かる事業です。保育「ママ」という名称ですが、男性も保育ママとして働く事が出来ます

保育ママになるには

保育ママとして働きたい人は、区市町村に登録します。

保育士の資格を持っているけど、自分にも子どもがいて外に働きに出られない、などの理由で埋もれてしまっている有資格者の活用を行い、待機児童問題の緩和策として期待されている事業です。無資格者であっても、一定の研修を受ければ保育ママとして認定される場合もあります。

また、1人の保育ママが預かる事の出来る子どもの数は3人以下など、保育所などの集団保育と違った特色があります。

少人数なので保育者が子ども一人ひとりとじっくり向き合えたり、保護者の子育ての方針を反映させやすかったりと、集団保育では難しい保育が出来るという利点があり、保育士が理想の保育を求めて保育ママへと転職するケースもあります。

自治体による保育ママの違い

自治体によっては保育ママ事業を行っていない所もありますが、基本的には保育ママとして仕事をしたい人は区市町村に登録し、保育ママを利用したい人は区市町村に保育ママを紹介してもらいます。

自治体によって、国から補助金をもらって事業を実施している所と、自治体単独で事業を行っている所があります。

保育時間、保育料、保育される子の対象年齢など、各自治体によって設定されています。

東京都3区の事例

ここでは東京都の3つの区の例を挙げてみます。

(例1 東京都大田区)
・保育時間 ── 8時から17時までのうち8時間以内
・保育料 ── 月額23,000円、時間外保育料30分250円
・対象年齢 ── 生後43日から2歳未満

(例2 東京都世田谷区)
・保育時間 ── 8時半から17時のうち8時間までが基本(時間外は7時半から19時)
・保育料 ── 月額25,000円、時間外保育料30分250円、1時間500円
・対象年齢 ── 生後36日から3歳未満

(例3 東京都江戸川区)
・保育時間 ── 8時半から17時(時間外は7時半から18時)
・保育料 ── 基本保育料 月額14,000円、時間外保育料1時間400円※第2子は半額
        雑費 月額3,000円(光熱費、消耗品)
・対象年齢 ── 生後57日から1歳未満

どんな資格/条件/届け出/認定があれば保育ママになれる?

資格/条件

保育ママの募集要件も、自治体による違いがあります。
上記3区の例を挙げます。

(例1 大田区)
・25歳から62歳までの健康な人。
・育児経験がある、または保育経験があり、保育士、教員などの資格がある人
・6歳未満の子どもがいない人
・月曜から土曜の8時から18時まで保育に専念できる人
・自宅の1階に6畳以上の部屋がある人
・ペットを飼っていない人

(例2 世田谷区)
平成29年9月現在は保育ママを募集していない為に、募集要件が公開されていません。

(例3 江戸川区)
・25歳以上、65歳まで(延長あり)の女性
・子育ての経験がある、もしくは保育士か幼稚園教諭などの資格を有している
・愛情深く、子育てに熱意をもっている
・9.9㎡以上の保育室が用意できる

届け出

保育ママとして働きたい場合は、区市町村の、保育担当の課にて届け出を行います。

認定

基本的に、募集要件に合っていて、研修が必要な自治体では研修を受けたのち、保育ママとして認定されます。認定された後に認定が取り消される事はありません。

自治体が禁止している行為(ペットを飼ってはいけないのに、飼ってしまった。保育への熱意がなく、保護者とのトラブルが多い。など)を行った場合、認定が取り消される事もあります。

1人の保育ママ何人見れる

1人で見る事の出来る人数は3人までです。

この「3人」という人数ですが、国が保育施設に定めている配置基準に、「0歳児3人につき職員1人」というものがあります。0歳というと、まだ歩行が安定していなく転びやすかったり、興味のあるものにはすぐ手を伸ばしたりと、目が離せない時期です。

そんな子を3人同時に保育するには、安全な環境づくりをするだけでなく、常に注意して子どもの動きに目を配る事が必要です。

1歳、2歳では保育施設の設置基準は「子ども6人につき職員1人」ですが、2歳ともなると、食事を自分1人で食べられる子もいますし、トイレトレーニングを始めている子もいます。

同じ3人預かるにしても、子どもの年齢、発達の具合、子どもが身の回りの事(排せつ、食事)をどのくらい出来るかによって、仕事の質や量が変わってくるので、注意が必要です。

どこで働くことができるか

保育ママが働ける場所として、児童福祉法では「家庭的保育者の居宅その他の場所」とされていますが、ほとんどの保育ママは自宅に保育室を設けて保育をしています。

自治体によって定められた、9.9㎡以上などの条件を満たしていれば保育室として自宅を使用する事が出来ます。

他にも、小規模保育施設で働く事も可能です。小規模保育事業には「A型」「B型」「C型」とあります。

・無資格の保育ママが1人で働く場合は、C型に分類されます。
・A型は保育士の資格が必要です。
・B型では、全職員の2分の1以上は保育士資格が必要ですが、その他の職員は研修が必要です。

したがって、無資格の保育ママでも研修を受ければ、保育士のいる小規模保育事業B型の施設で働く事が出来るのです。