子どもと関わる仕事というと、保育士が思い浮かぶ人も多いと思いますが、「チャイルドマインダー」という資格がある事を知っていますか?

待機児童問題を解決する新しい保育の形として、チャイルドマインダーが今、注目を集めています。ここでは、チャイルドマインダーのお仕事について紹介していきたいと思います。

日本の保育事情

日本で「保育」というと、保育所や幼稚園での集団保育が一般的です。待機児童問題により、保育施設がたくさん作られてきていますが、そこで働く人材の不足も大きな問題となっているのです。

従来の集団保育と異なる保育の場として、保育者の家庭などで少人数を保育する、家庭的保育が注目されてきています。この家庭的保育の現場で保育をする事が出来るのは、保育士や幼稚園教諭の資格を持つ人だけではありません。

イギリスで100年以上前に誕生した、歴史ある資格「チャイルドマインダー」は、家庭での保育のスペシャリストとして位置づけられ、近年は日本でも取得を目指す人が増えてきています。

チャイルドマインダーの仕事はどんな仕事

保育園などの施設では、集団の中で子どもを保育する「集団保育」を行いますが、チャイルドマインダーは少人数を保育する「家庭的保育」を行います。預かる子どもの年齢は0歳から12歳まで。

1名のチャイルドマインダーで預かることの出来る子どもの人数は、0歳児は2名、1歳児は3名、2~4歳児は4名までと定められています。保育所では、1人の保育士に対して預かる子どもは、0歳は3人、1~2歳は6人、3歳は20人、4歳以上は30人までと定められています。

集団保育では難しい、一人ひとりとじっくり関わり個々の特性に合わせた保育が、チャイルドマインダーには出来ます。預けられている子どもにとっても、集団より親密な関わりを持てることで、より深く保育者の愛情を感じ、伸び伸びと活動出来るというメリットがあります。

子どものお世話というと、一緒に遊んでいるだけで楽そうだという印象を持つ方もいるかもしれませんが、保育の仕事は一緒に遊ぶだけではありません。小さい子の場合は、こまめにオムツ替えをしないとお尻がかぶれてしまう事もあるので、保育の合間にオムツをチェックし、適宜オムツ交換をします。

言葉が未発達で思った事を伝えられない子は、泣いて自分の気持ちを訴える事があります。なぜ泣いているのかあれこれ予想して、子どもの欲求を満たしてあげなくてはなりません。お昼寝している間にも、突然死する事がないよう、こまめに呼吸を確認する必要があります。それをしながら、保護者向けの報告書を書いたりもしなくてはならないのです。

また、子どもの世話をするだけでなく、時には利用者である保護者の育児相談に乗るなど、保護者とのコミュニケーションも欠かせないお仕事です。信頼関係を築けなければ、保護者も安心して保育者に子どもを預ける事が出来ません。子どもの発達において気になる事や、子育ての方針など、チャイルドマインダーと保護者が共通の認識を持ち、ともに子育てをしていくという気持ちで仕事をしていく事が大切です。

チャイルドマインダーとして働くには

チャイルドマインダーは、日本では民間資格です。資格認定校で通学、通信により講義を受講した後、チャイルドマインダー認定試験に合格すれば資格を取得する事が出来ます。講義を受講する事が試験の受験資格となりますので、独学で勉強しても、認定試験を受ける事が出来ません。

国家資格である保育士と比べると、チャイルドマインダーは短期間で資格が取得出来ます。

しかし資格を取得しても、知名度の低さや、自宅開業をする人が多いために、求人数は少ないです。もし自宅以外で仕事をしたいなら、養成校が就職のサポートをしてくれる所もありますので、受講前にその点も含めて養成校を選ぶと良いでしょう。

在宅型と訪問型

チャイルドマインダーが働く場所には大きく2種類あります。

・1つ目は、自宅などに保育ルームを開設し、そこでの保育をする「在宅型」。
・2つ目は、利用者のお宅に伺って保育する「訪問型」

在宅型

在宅型では、安全面や衛生面を考え、保育室の環境整備を行う必要があります。おもちゃや家具の転倒防止グッズなどの用品も揃えなくてはいけません。資格を取ったらすぐに開業ではなく、準備のための出費があります。

自分の子育てをしながら開業する人にとっては、そのような出費もなく、自分の子どもと預かる子どもとの関わりが持てるなど、良い点があります。

訪問型

訪問型では、利用者の自宅に訪問して保育をするのですが、事前に利用者の方と十分な打ち合わせをする必要があります。

お宅にお邪魔するのですから、どの部屋で保育をして良いのか、保育に必要な物はどこにあるのか、食事の時にキッチンは使って良いのかなど、細かく相談をしなければいけません。トラブルにならないよう、話し合った事を書類にまとめる事も必要です。

給料はどれぐらい目指せる

開業するのか、従業員として働くのかによって違います。開業する場合は、保育時間と単価を自分で決める事が出来ます。

例えば1日8時間保育、1時間あたり1200円とすると、1日の収入は9600円です。

そのうち、保育に必要な経費が引かれます。開業する場合は自分で宣伝や集客をする必要があり、依頼が多い時と少ない時とで収入が不安定です。

従業員として働く場合は、勤務日数、時給や基本給により収入が変わります。開業する場合と比較して、安定した収入を得る事が出来ます。

今チャイルドマインダーが求められている

現在では結婚後も仕事を続けている女性が多く、産後も職場復帰を希望する女性が増えています。産後に仕事を続ける為には、子どもをどこかに預けなくてはなりません。保育所に子どもを入所させたくても、定員に達していれば入所を断られてしまう事があります。

入所出来ずに仕事復帰を諦めざるを得なくなった女性の嘆きが、ニュースでも取り上げられて話題となりました。そんな保育所に代わる保育の場としても、家庭的保育事業のニーズは高まっています。チャイルドマインダーは家庭的保育のスペシャリストとして、保護者の職場復帰を手助け出来るのです。

保育者自身に子どもがいても働く事が出来るので、チャイルドマインダーは子どもの預け先としても、自身の仕事としても、これからさらに人気が高まってくるでしょう。

保育士として働く人の中にも、集団保育より少人数保育に魅力を感じ、チャイルドマインダーの資格を取る人も増えています。