家庭的保育というと、聞き慣れないかもしれませんが、「保育ママ」や「ベビーシッター」、「チャイルドマインダー」なら知っている方も多いのではないでしょうか。これらはいずれも、家庭的保育者と呼ばれています。

一方、「家庭的保育事業」は、平成22年に児童福祉法により定められた保育事業であり、保育ママ制度とも呼ばれています。この為、家庭的保育事業は保育ママ制度の事を指し、ベビーシッターやチャイルドマインダーは含まれません。

家庭的保育とは

家庭的保育とは、保育者の居宅やその他の場所で、少人数の子どもを預かり、家庭と同じような環境で保育を行う事です。保育所などの集団保育と比べて1人の保育者が保育できる人数が少ないのが特徴で、一人ひとりの子どもと密接な関りを持つ事が出来る為、集団保育に代わる保育の場として近年では注目されています。

平成22年に児童福祉法によって、家庭的保育事業として位置づけられました。
平成27年の子ども・子育て支援新制度で、待機児童対策として新しく創設された財政措置である「地域型保育給付」の対象となった、地域型保育事業の1つです。

家庭的保育事業を運営しているのは誰?

家庭的保育事業は児童福祉法に基づいた事業であり、市町村や、民間の事業者が運営を行います。保育事業の運営は各自治体に任されているので、運営状況は自治体によって違います。平成29年現在、保育事業を行っている区市町村がある都道府県は19か所で、他の都道府県の区市町村ではまだ事業が開始されていません。

家庭的保育者は、各自治体に登録して、利用者を紹介してもらいます

保育者の派遣、事務的な手続きなど事業の運営主体は自治体ですが、実際に利用者や子どもと関わり、保育をするのは家庭的保育者です。家庭的保育者自身が事業の運営主体となる場合もあり、それには区市町村の認可が必要です。

運営の基準は厚生労働省令 「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準」によって定められています。
(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H26/H26F19001000061.html)

この運営基準では、「従うべき基準」として「職員の資格、員数」、「乳幼児の適切な処遇の確保、安全の確保、秘密の保持並びに児童の健全な発達に密接に関連するもの」が挙げられ、それ以外の事項については「参酌すべき基準」とされています。

事業運営のための認可や条件はある?

家庭的保育事業は、地域型保育事業として市町村が認可し、地域型保育給付の対象としています。国が設けた基準に沿って区市町村が設けた以下のような基準(一例)により、家庭的保育事業の認可を区市町村が行います

・預かる子どもの数 ── 5人以下
・職員       ── 家庭的保育者(市町村の認定研修を修了した者)
・配置基準     ── 家庭的保育者1人につき子ども3人まで。家庭的保育補助者を置く場合は5人まで
・保育室      ── 子ども1人につき3.3㎡以上
・屋外遊戯場    ── 2歳の子ども1人につき3.3㎡以上(居宅に無ければ、近くに公園などが代わりにあれば良い)

上記の基準はあくまでも「最低基準」とされていて、最低基準を理由としてその設備や運営を低下させてはならない、と国の運営基準にも明記されています。

どんな人、資格者が働いている?(チャイルドマインダーは働ける?)

児童福祉法では、家庭的保育者は、市町村が行う研修を修了した保育士、または保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市長村長が認める者であって、次のいずれにも該当する者と定められています。

・保育を行っている乳幼児の保育に専念できる者
→自身の子を育児中でない者、他に仕事をしている傍らでの保育をしようとしていない者

・法第十八条の五各号及び、法第三十四条の二十第一項第四号のいずれにも該当しない者
→簡単にまとめると、過去に犯罪や児童虐待、児童福祉に関して不適当な行為をしていない者

自治体によって家庭的保育者の要件は違いますが、一般的には保育士資格を有している者は基礎研修を受ける事が義務付けられています。資格を持っていなくても、基礎研修に加えて、保育実習による認定研修を修了すれば、家庭的保育者と認定されます。

よって、チャイルドマインダーの資格を持っていても、基礎研修と認定研修を受講する事が必要です。

子どもの対象年齢と、誰が利用できる?

◎子どもの対象年齢は、自治体によって異なります。
生後1か月から預かる自治体もあれば、生後6か月からという自治体もあります。
しかし上限は、3歳未満(3歳になった年度末まで)を対象としている自治体がほとんどです。

◎利用できる条件も、自治体によって細かい部分は異なりますが、大体は以下の通りです。
・その自治体に在住している事(住居地と異なる自治体の家庭的保育は利用出来ません)
・保護者の疾病、就職、求職などの理由により、子どもが保育を必要としていること
・保護者の代わりに子どもを保育する人がいないこと
・子どもが健康であること
・子どもが家庭的保育者と3親等以内の親族でないこと