保育ママやチャイルドマインダーで知られる家庭的保育事業ですが、平成20年の児童福祉法改正の時に法制化され、その際に家庭的保育事業ガイドラインも制定されました。その内容についてご紹介します。

「家庭的保育事業」とは?

まず「家庭的保育事業」とは何か、知っていますか?

家庭保育事業は、「乳児又は幼児について、家庭程保育者の居宅その他の場所において、家庭的保育者による保育を行う事業です。児童福祉法第34条の15第2項により、区市町村の認可を受けて行うものと、認可を受けずに行うものがあります。」

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/hoiku/h_mama/ (東京都福祉保健局)

簡単に説明すると保育ママ制度とも呼ばれるこの事業は、何らかの理由で子どもの保育が出来ない保護者が、保育ママに子どもを預け、保育ママは自宅かその他の場所で保護者の代わりに子どものお世話をする、というものです。

民間資格であるチャイルドマインダーも家庭的保育事業の1つで、こちらは研修を受けて認定試験に合格する事が、就業開始の要件となっています。

国の家庭的保育事業では、保育士又は看護師を資格要件としていましたが、平成22年に規制が緩和され、無資格者であっても研修を受ければ資格要件を満たせるようになりました。地方公共団体によっては、育児経験者でも可能な場合があります。

家庭的保育の安全性について

場所によっては無資格でも出来る家庭的保育事業ですが、子どもの命を預かる大事な事業ですので、子どもを安全に保育する為に、保育者には深い知識と技術が求められます。

その為に、厚生労働省は「家庭的保育事業の実施にあたり、遵守すべき事項を規定する児童福祉法及び実施基準のほか、留意すべき事項を規定」する目的で、家庭的事業ガイドラインを制定しました。

家庭的保育事業ガイドラインの要点まとめ

概要家庭的保育事業ガイドラインでは、13の事項が規定されていますが、その中で以下の内容について簡単に触れていきます。

家庭的保育の実施について

・対象となる乳幼児は、家庭的保育者又は家庭的保育補助者と三親等以内の親族関係にないこと
・家庭的保育者が1人で保育をする場合は、保育する乳幼児の数は3人以下
・保育を行う部屋は、面積が9.9㎡以上であって、採光及び換気の状況が良好であること
・居宅の敷地内に乳幼児の遊戯等に適する広さの庭を有するか、付近にこれに代わるべき公園、空き地、寺社境内等の開かれた空間があること
・保育時間は、1日8時間を原則
・保育料は、保育の実施に要する費用を勘案し、かつ、利用者の家計に与える影響を考慮して定めること

家庭的保育者の要件

・次のいずれかに該当する者であって、市町村が行う研修を修了したもの
 一 保育士
 二 看護師、幼稚園教諭、その他の者が研修(以下「認定研修」という。)を修了し、市町村長が家庭的保育者として適当と認める者
  ※認定研修により家庭的保育者として認定する際は、研修における試験、レポートの提出、実習施設での評価等により適切な評価を行い認定する事

保育内容について

・家庭的保育は、保育所保育指針に準拠するとともに、保育所保育と異なる家庭的保育独自の保育内容に留意して保育を行うこと
・家庭的保育者は、乳幼児の保育の状況に関する記録を整備すること

市町村が行う体制整備について

・家庭的保育者からの相談に応じ、必要な助言及び指導を行うことが出来る体制の整備を行うこと

安全対策について

・家庭的保育者等は1年に1回健康診断を実施
・保育中の事故防止のため、子どもの心身の状態等を踏まえ、居宅等の安全点検に取り組み、安全確保の観点から保育環境の整備について適切に対応すること

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/02/s0220-4.html (厚生労働省)

上記の内容だけでも、家庭的保育の安全性、子どもの福祉のために、細かく保育内容が規定されていることが分かります。家庭的保育者を目指す人、家庭的保育を利用する人の両者が安心して家庭的保育に臨めるよう、保育者をサポートする体制も整っています。

まとめ

「保育」というと、ただ子どもと遊んでいればいい、楽な仕事だと思っている方もいるかもしれませんが、そうではありません。

動きが活発で、予測できない行動を取る子どもを安全に保育する為には、いっときも目が離せませんし、寝ている間にも突然死の恐れがあります。体の免疫力が低い乳幼児では、急な発熱や体調の変化もしばしば起こります。

安全に保育するだけでなく、その子の発達に応じた関りをして、発達を促してあげる事も必要です。

ただ見守っているだけではなく、目を見て話しかけて言葉の発達を手助けしたり、安心感を与えるために体を触れ合わせたり一緒に遊んでコミュニケーションを取ったりと、常に子どもと向き合い、良い環境づくりについて考えていかなくてはならないので、悩むことばかりです。

それが自分の子どもではなく、お金を頂いて他人の子どもを預かるのですから、さらに高い意識を持って子どもと関わっていかなくてはなりません。

厚生労働省の家庭的保育事業ガイドラインは、保育者の保育に対する意識を高めるため、保護者が安心して利用するために大切なものなのです。